唐突ですが、当塾に通っている子たちは基本的に勉強嫌いな子が多いです。
去年の受験生たちもほとんどがそうでした。
今日はその中の1人の男の子(以下A君)についてお話ししていきたいと思います。
そのA君はだらしない男の子でした。
学校に遅刻する
提出物を出さない
授業中は居眠りする
などだらしのないところが多く
学校生活のことで何度か叱ったりすることがありました。
また、あまりにも自分の点数や成績に無頓着なので
「自分の人生なのに何でそんなにテキトーに過ごせるのか?」
と疑問に感じました。
そこで、A君と少し未来について話をする時間を設けることにした。
話をしていくうちに、A君は自分が何がしたいのか目標がないから頑張る理由もないということに気づきました。
だからこそA君には
“自分で決めた目標”
を立ててもらう必要があると考え、今の実力では受からない難易度の高校を受験することをお勧めしました。
私自身、当時通っていた塾の面談の中で
学校の先生や親から絶対に受からないと言われていた高校を志望校にしてから勉強への向き合い方が変わった経験があるからです。
狙いが当たり、その頃から少しずつ勉強への向き合い方が変わっていきました。
まず一番最初に起こった変化は自分の成績を気にするようになったことです。
今までは、目標もないので偏差値を気にすることもありませんでしたが、高校に行く目標が出来たことで、自分の偏差値の足りなさに向き合えるようになっていました。
また、学校の成績や点数が取れなかった時に落ち込んでいる様子もあり、同じ学校を志望している子たちに比べて点数が取れてなかったことに焦りを覚えたり、簡単な問題で間違えた時に凹んだりするなど、具体的に自分の出来なかったことを分析するようになっていました。
僕はこのエピソードから
「勉強をしなさい」
「ちゃんと勉強しないと後で困るよ」
などと伝えることよりも
「努力をしなければ達成できない具体的な目標を立てる」
ことがモチベーションを上げるためには必要であることが分かりました。
ここからはA君の性格の話になりますが、物事を楽観視する節があり
「まぁなんとかなるでしょ」
「多分大丈夫だよ」
という言葉を多用していました。
しかし、受験2ヶ月前になると流石に焦りを覚え
「受からないかもしれない」
「本当に自分はダメだ」
という言葉が増えてきていました。
ここで私はむしろチャンスだと思い、再度三者面談を行いました。
面談時、私は本人にこの言葉を言ったことを覚えています。
「弱音を吐くだけで本気で向き合う気がないなら志望校を落として今確実に行けるところに志願先を変更すればいいと思う」
A君からすると驚きだったでしょう。
普段から
「この調子なら合格できるよ」
「順調に伸びてるからこのペースで頑張ろう」
とポジティブな言葉を投げかけている私からこのような言葉が出るとは思っていなかったと思います。
ですがこの言葉には私なりに意図がありました。
A君なら
「じゃあもう志望校下げます」
とは言わず
「ここからはもっと頑張ります」
と言わない根拠がありました。
その根拠は、A君は負けず嫌いであるということです。
結果的にこの言葉が功を奏したのか、勉強への取り組み方が今まで以上に良くなり、2ヶ月間で5教科合計100点近く点数が伸びたことで合格することができました。
ほんの一例ですが、この出来事から改めて生徒を理解することとその生徒に合った指導することの大切さを実感しました。
相手を理解しようと分析し、予測を立て実行に移すことで1人の人間の人生を変えることができる。
こんな素敵な経験をぜひ皆さんにもしてもらいたいなと思っています。
